人生の恩師 【椿拓也→橋本武】 | 東進ハイスクール川越校|埼玉県

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2013年 4月 2日 人生の恩師 【椿拓也→橋本武】

みなさんこんにちは!
突然ですがみなさんにとって、『この人はすごい』『この人のようになりたい』と思うような人はいますか?自分の人生・未来をこの人に変えられたと思うような人はいますか?

今回は、自分の夢に強く影響を与えた人の話をしたいと思います。

「学ぶのを面白いと感じさせるのが教育のプロ」
「ゆとり教育とは遊ぶことではない。水準以上のことをやって生まれる余裕のこと」

これは、毎年東大合格者を多数輩出している超名門校である灘校にて国語の教鞭をふるっていた橋本武先生の言葉です。

橋本先生を知ったのは、3・4年前のテレビ番組を見ているときでした。それは橋本先生の半生を描いたものでしたが自分は衝撃をうけました。

当時はまだ一私立中学にすぎない灘中学で橋本先生は『銀の匙』という本を教科書に国語の授業を行いました。三年間に200ページしか読まないのかとも感じますが、先生の授業は横道に逸れに逸れ、1日に数行しか進まない日もあり、生徒から「進度が遅すぎる」「このペースで200ページ終わるのか」と言われたことがありました。

この時の「スピードが大事なんじゃない。すぐ役に立 つことは、すぐに役立たなくなります。何で もいい、少しでも興味をもったことから気持ちを起こしていって、どんどん自分で掘り下 げてほしい。そうやって自分で見つけたことは君たちの一生の財産になります。そのこと はいつか分かりますから」という言葉を聞いてから生徒は文句を言わなくなり自ら横道に逸れるようになったそうです。
例えば本文に干支が出てくればそこから昔の時刻や甲子園の由来にまで話が及び、主人公が駄菓子を食べる場面では<青や赤の縞になったのをこっきり噛み折って 吸ってみると…>と出てくると実際に駄菓子を食べさせて「こっきり」という表現を実体験を踏まえて納得させるのです。

この横道の多い授業は単に作品を精読・熟読するだけでなく、作品中の出来事や主人公の心情の追体験にも重点を置き、様々な事に興味を持ち自主的に学ばせるという目的があります。そのため毎回配布するガリ版刷りの手作りプリントには、頻繁に横道に 逸れる仕掛けが施され、様々な方向への自発的な興味を促す工夫が凝らされていました。

この授業を受けた生徒達は国語の成績はもちろん、他の科目も成績をのばし東大へも多数進学者が出て灘校は超名門校へとなりました。
なぜ国語の授業で国語意外の成績が伸びるのか。それに関してこのようなエピソードがあります。

ある日の授業で正月のシーンが出てくると先生は凧を作って見ましょう、といい凧を作らせ、あげさせると生徒たちは互いに高さを競い合うようになります。そうするとより高く凧を飛ばすために物理を学ぶようになり、物理の先生に力学のよくわかる本を教えてくれと頼み自ら興味を持ち学び始め成績もどんどん伸びていきました。

橋本先生の授業が他の科目の成績を直接的にあげたわけではありません。しかし学問において最も大事である自ら学ぶ態勢・楽しみ興味を持つということを学ばせたのです。

「国語はすべての教科の基本であり、学ぶ力の背骨」
学校の授業は科目ごとに分けられ学びますが、それではお互いの知識が孤立し、いろんな分野の知識を融合させて物事を総合的に、多角的に考えることができません。しかし国語の読解力を背骨として他の学問を肉付けさせていけばあらゆる知識を互いに関連付け、一つの問題に対して複数の知識を使って考えることができるようになるのです。

実際に昔の学者は複数分野において見識が深いのです。例えば圧力の単位Paの語源にもなったフランスのブレーズ・パスカル哲学者、自然哲学者、神学者、思想家、数学者、物理学者、宗教家と多くの肩書きを持っており、昔は様々な分野を分けることなく総合的に学んでいたのです。

そして今の『学校での勉強』ではなく、「銀の匙の授業」のように生徒に自ら学ばせ一つの分野からまた別の分野に広がるように学問を学べるような教育の体系を作りたいというのが今の自分の夢になっています。

 教育・学問の真の姿を教えてくれ、自分の教育に対する興味を向けるきっかけを作ってくれた橋本先生に本当に感謝しています。

皆さんも自分に影響を与えるかもしれない人に出会う機会を広げるように、視野を広げいろんなものに興味を持ってみてはどうでしょうか!

東進ハイスクール川越校 担任助手 椿拓也